2016年04月15日

プロの世界

 今週は何を書こうか、一覧を見ていて思ったのは、やはり黒い疑惑があっても何だかんだで野球はスポーツ紙において絶対的地位にあるのだな、ということだ。

 9日朝刊、男子水泳平泳ぎの北島康介選手が引退発表をした見出しが、3紙の1面に掲載された。

 果たして、それは妥当な数字なのか。

水泳において2大会連続個人平泳ぎでの金メダル、及びロンドン五輪では団体にてメダルを獲得。自分の競技生活内以外のところでも、小学生たちに水泳教室を開いたり、公私ともに水泳界を牽引してきた第一人者が、引退したのである。あれほど「なんも言えねえ」とか「超気持ちいい」などと言った彼ならではの発言をフューチャーしてレジェンド扱いしていた割に、引退に関しては「3紙かよ」とツッコミをいれたくなるくらい拍子抜けの結果だった。

野球に続いてバドミントンでも違法賭博が問題になっており、薬(薬物以外にもドーピングも)やら反社会的勢力とのつながりとか、スポーツ界全体があまりよろしくない話題であふれている今、彼のような、周囲から信頼・尊敬される選手にもう少し敬意を払ってもよかったのではないだろうか。
スポーツ紙1面だけじゃなく、News23に北島康介が出演した際のインタビュアーの失礼な質問にも腹がたつ。
「決勝は気が抜けて力が出せなかったですか」「やっぱり北島さんも人間だったということですねえ」みたいなことを連発していた。これでもプロなんだろうか、と思ったのは、私だけではないだろう。北島康介のほうがどんな失礼なことを言われても笑って答えていたのが、大人に見えた。

 プロ。その道のプロの仕事を垣間見るというのが、結構好きだ。
 そのため、お仕事小説にはかなり惹かれて色々読み漁ってきた。本だけでなく、ドラマ・漫画にしても。
 今クール、漫画雑誌の編集者が主人公の「重版出来(じゅうはんしゅったい)」という漫画が原作のドラマが注目を浴びている(第一回はすでに放送済)。そして、主演は今ノリに乗っている黒木華。
 元女子柔道のオリンピック候補だったが、怪我でその道を断念し、人生において様々な場面で力と勇気をくれたマンガの世界でお手伝いをする編集の道を志した女の子の話である。第一話を見たが、それなりに面白かった。原作のファンの人に意見は聞いていないが、
それなりにいい出来栄えじゃないかと思う。しかも、黒木華の柔道背負い投げの場面が何度か出てくるが、それなりにサマになっていた。(柔道界のみなさま、「YAWARA‼」以来の、柔道注目シーズンが到来かもしれません‼もちろん、ドラマでも日本女子体育大学なので、暑苦しい男子部員はでておりませんが…今こそ柔道の魅力を前面に出していきましょう!)
 かくいう私は、軽量級の柔道は投げ技が多く、スピードもあって、かなり好きである。このブログ上では1面をとれないことをネタにはしているが、それなりに頑張ってほしいと思っている一人ではあるのだ。
 漫画家の仕事っぷりも色々見せてもらえるし、出版社の営業の話題、書店とのつながりも含め、我々の業界としてはかなり興味をそそられるドラマである。

 同じようなドラマ・漫画として、「働きマン」(安野モヨコ著)という漫画があったのをご存じだろうか。こちらは週刊誌(それこそ、今をときめくセンテンススプリング側)の作り手の内情を深く掘り下げていて、とても好きだった。ちなみに菅野美穂主演でドラマ化もされているが(Huluでも配信中)、どうもドラマのほうは必要以上に恋愛を絡めすぎていて、お仕事ドラマというより、恋愛ドラマに絡めたお仕事になっている感じだったので、ドラマのほうがおススメである。
 同じ週刊誌の記者を題材にしたものだと、リストラ請負人を主人公にした「借金取りの王子」(垣根涼介著)の続編にあたる「張り込み姫」というものがあり、売り上げが落ちている週刊誌の社員のうちのひとりの女性にスポットをあてている。このリストラ請負人のシリーズは、色々な仕事の実情が見えて、大変面白い。ちなみにNHKで坂口憲二主演でドラマ化されたこともある(ただし、「張り込み姫」の話はその中になかったかと思う)。

 また、地方紙の記者を主人公にした横山秀夫著「クライマーズ・ハイ」、小説は秀逸である。ドラマ・映画化もされたが、NHKのドラマよりは、堤真一出演の映画のほうをお勧めしたい。御巣鷹山に墜落した日航機をめぐる地方紙記者の奮闘を描いたものである。こうやって取材に命をかけているのか、とも思い、日々、仕事で扱う地方紙にもより一層の愛着がわいてしまった。

 全国紙の記者を題材としたものだと、最近の小説だが、仙川環著「吠えろ! 坂巻記者」とその続編がある。読みやすさからすると、上のクライマーズ・ハイよりも読みやすいだろう。こちらは全国紙の生活情報を扱う部署に配属になった女性記者の話。とんでもない上司(題名にある坂巻記者が、その上司)のもと、色々なことを学んで成長していくという、主人公の成長ストーリー王道パターンである。

 まだまだ他にも業界に関わるお仕事ドラマ・本・漫画・映画を紹介したいのだが、たくさんありすぎて、ブログにしては長くなってしまいそうなので、今日はこれくらいにしておきたい。
 で、こんなに話題がそれて何を言いたかったかと言えば、スポーツ紙記者を主人公にした本やドラマがあまりない、ということだ。スポーツ紙編集室でのある日の出来事、みたいなものをこのブログ上で書くことはあったけれども。(前出の「YAWARA‼」では、松田記者がスポーツ紙記者として準主役的なポジションだったっけ。あと、夕刊紙の記者を主人公にした「タブロイド」というドラマもあったなあ。常盤貴子と真田広之主演だったかな。でも冤罪を主軸にした硬派な話題で、ちょっとスポーツ紙の記者のような笑いもとれそうな方向には結びつかなかった。)
 スポーツ紙記者はドラマにしにくいのだろうか。是非とも、本なりドラマなりにしてもらえたら…と思う。
 そうすれば、もっともっとスポーツ紙の1面の役割とか、そこにかける記者たちの記者魂を理解してもらえるのかなあと思うのだ。

 スポーツ紙業界をもっと盛り上げていくために、我々1面調査隊も全面的に協力したいと思っている次第である。で、できれば、そのスポーツ紙記者の小説だかドラマだか、漫画が出来たら、クリッピング会社も取り上げてくれたら嬉しい…。
 いや。寧ろクリッピング会社を小説にしたらどうだろう。うん。物凄く熱いドラマチックなものにして。知名度もグッとアップするに違いない。それなら、全国紙もスポーツ紙記者も雑誌編集者もうまく題材に取り込めるから、いろんな意味でWINWINの関係の小説が誕生するだろう。いかがだろうか。




posted by 調査担当 at 14:14| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ紙情報(調査Henryより) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。